世界タロットリーディング協会 監修

タロット「ペンタクルの6」の意味を、1909年版ウェイト・スミス・タロットの原画とともに解説します。基本の意味から正位置・逆位置、恋愛と仕事での読み分け、絵柄に隠された象徴、実際のリーディングでよく出る組み合わせまで――この1枚を深く知るための完全版です。
| 分類 | 小アルカナ ― ペンタクル(地の元素) |
|---|---|
| 英名 | Six of Pentacles |
| キーワード | 分配/援助/与えることと受け取ること |
ペンタクルの6の意味 ― 正位置・逆位置
正位置:天秤を左手に持つ商人が、跪くふたりに金貨を分け与えています。公正な分配、援助の循環。与える側にも受け取る側にも吉です。大切なのは、流れの中に居続けること。
恋愛:与える・受け取るのバランスが整う関係。ごちそうする側とされる側の循環を。仕事:投資・支援・報酬の適正化。気前よさは、天秤(基準)とセットで。
逆位置:不公平な取引、恩着せがましさ、依存。天秤の傾きを直してから渡すこと。受け取りすぎの負債にも気づいて。
絵柄の象徴を読み解く
ウェイト版の絵柄は、細部まで意味の担い手です。「ペンタクルの6」で注目したい象徴を挙げます。
| 象徴 | 読み解き |
|---|---|
| 天秤と施し | 計量された善意。公正な分配は技術 |
| 跪く二人 | 受け取る側の物語。立場は循環する |
よく出る組み合わせ
与える時は基準を、受け取る時は感謝を明確に。「なんとなくの貸し借り」だけが、この札の唯一の毒です。
| ペンタクルの5 | 与える側と受け取る側が揃う並び。支援が実際に届くと読める組み合わせです。 |
|---|---|
| ソードの2 | 配分を決めかねている並び。誰にどれだけ渡すかで止まっている状態です。 |
| 悪魔 | 与えることが支配になっている並び。援助に条件がついていないか確認が要ります。 |
ペンタクルの6の逆位置を読む
逆位置のペンタクルの6は、貸し借りの不均衡です。与える側と受け取る側の力関係が偏っています。
| 恋愛での逆位置 | 尽くす側の固定、見返りを求める好意、依存。 |
|---|---|
| 仕事での逆位置 | 不公平な分配、援助の条件化、恩の押し売り。 |
ペンタクルの6が示す人物像
人物としては、面倒を見る立場の人です。頼まれれば助けますが、量は自分で決めます。公平さを重んじ、贔屓はしません。上司、支援者、資金を出す側として出ます。恋愛の相談で相手の札として出たときは、こちらより優位な立場にいます。関係が対等でない場合、それが後々の問題になります。相談者本人に出た場合は、持っているものを少し人に回す助言と、渡す上限を決める助言の両方が要ります。
相手の気持ちとして出たとき
ペンタクルの6は、相手との間に与える側と受け取る側の関係ができていることを示します。どちらが多く与えているかが読みの要です。
| 片思い・これから | 好意を示してくれています。ただし対等ではなく、どちらかが与える側に寄っている可能性がある。バランスを意識すると長続きします。 |
|---|---|
| 交際中 | 支え合いが成立しています。ただし片方の負担が大きくなっていないか確認を。感謝を言葉にすることで釣り合いが保てます。 |
| 復縁・停滞中 | 情はあります。助けようという気持ちが出ている一方、それは対等な関係とは限りません。施しの形になっていないか見てください。 |
場面別の読み方
| 仕事・転職 | 与えることが返ってくる時期。後進の指導、情報の共有。出したものが後で戻ります。 |
|---|---|
| 金運・お金の使い方 | 金銭の出入りが公平になります。報酬、支援、精算。受け取るべきものを受け取ってください。 |
| 対人関係 | 助ける側にも助けられる側にも回ります。どちらも遠慮しないこと。 |
| 健康・コンディション | 支援を受けることが効きます。一人で治そうとしないでください。 |
スプレッドの位置別・読みの変わり方
| 過去に出たとき | 誰かに助けられた、あるいは助けた時期があります。その貸し借りが今も残っています。 |
|---|---|
| 現在に出たとき | 与える側と受け取る側に分かれている位置です。どちらに寄っているかが読みどころ。 |
| 未来に出たとき | 誰かの助力を得て進みます。単独では届かない展開です。 |
| アドバイス・対策に出たとき | 分けよという助言です。持っているものを少しだけ人に回してください。 |
ペンタクルの6が出たリーディング
同じ札でも、質問の内容と出た位置で読みは変わります。実際のリーディングから三つ挙げます。
ケース1:後輩に手を貸しすぎる・〈助言〉の位置
頼まれると全部やってしまう、という相談の助言位置に正位置のペンタクルの6。天秤を持った人物が施しを与える札です。与えること自体は正しい、というのが読みでした。ただし手には天秤があります。助言は基準の明示でした。どこまで手を貸すかを先に決める。基準のない親切は、後で必ず不公平になります。
ケース2:援助を受けるのが気まずい・〈現在〉の逆位置
実家に頼っている、という相談の現在位置に逆位置のペンタクルの6。貸し借りの不均衡です。逆位置は、与える側と受け取る側の力関係が偏っていることを示します。この方には、感謝を言葉にして返す形を勧めました。なんとなくの貸し借りだけが、この札の唯一の毒です。
ケース3:後輩の指導に時間を取られる・扱いを見る展開
自分の仕事が進まない、という相談にペンタクルの6。与える側の札です。読みどころは、絵の男が天秤を持っている点でした。施しているだけでなく、量を測っている。この方は求められるまま無制限に時間を出していました。天秤がない状態です。指導の時間を週二時間と決め、それ以外は資料で対応する形にしたところ、自分の作業時間が戻り、後輩の自走も早まりました。6は気前の良さの札ではなく、配分の札です。
やりとりを示す札との違い
読み違いが起きやすいのは、意味の近い札と並んだときです。ペンタクルの6との境目を押さえておきます。
| 比べるカード | 読み分けのポイント |
|---|---|
| ペンタクルの5 | 6は支援が成立している場面、5は支援に届いていない場面です。窓の内側にいるか外にいるかの違いです |
| 正義(Justice) | ペンタクルの6は物のやりとりの釣り合い、正義は行いの釣り合いです。扱う対象が違います |
読み間違えやすいところ
6を「施しを受ける」と一方向に読む例があります。しかし絵の男は天秤を持っており、量を測っています。無制限ではありません。
ペンタクルの6で読める質問・読みにくい質問
助けを得られるか、どこまで与えるかという配分の質問に強い札です。援助、寄付、給与、支援の受け方など、やり取りの量を決める相談で正確に出ます。
イエス・ノーと時期の読み方
6は天秤を持って施す札です。自分だけの力ではなく、誰かの手を借りる形で叶います。
| イエス・ノー | イエス(誰かの助力を伴って) |
|---|---|
| 時期の目安 | 一か月から二か月。人を介して進む |
前後のカード
FROM OUR PRESS
この原画を、手の中に。
本記事の絵柄は1909年版の原画です。新日本総合出版のクラシックタロットシリーズなら、この一枚をご自身のデッキでめくりながら学べます。
このカードを引いた日にできること
分ける日です。持っているものを、少しだけ人に回してください。
- 誰かに情報か時間を渡す。見返りを求めずに。
- 受け取るべきものを、遠慮せずに受け取る。
- 貸し借りの均衡を一度確認する。
