世界タロットリーディング協会 監修

タロット「カップの6」の意味を、1909年版ウェイト・スミス・タロットの原画とともに解説します。基本の意味から正位置・逆位置、恋愛と仕事での読み分け、絵柄に隠された象徴、実際のリーディングでよく出る組み合わせまで――この1枚を深く知るための完全版です。
| 分類 | 小アルカナ ― カップ(水の元素) |
|---|---|
| 英名 | Six of Cups |
| キーワード | 郷愁/無邪気な好意/再会 |
カップの6の意味 ― 正位置・逆位置
正位置:古い庭で、少年が少女に白い花の杯を手渡しています。懐かしさ、幼なじみ、見返りを求めない優しさ。過去の縁や思い出が、今のあなたを温めてくれる時です。
恋愛:幼なじみ・旧友との縁、初心のときめきの復活。素朴な優しさが響きます。仕事:昔の同僚・古巣からの声かけ、原点回帰の企画。過去の実績が再評価されます。
逆位置:過去への執着、思い出の美化、子どもっぽさ。郷愁は栄養にも足枷にもなります。思い出は持って、体は今へ。
絵柄の象徴を読み解く
ウェイト版の絵柄は、細部まで意味の担い手です。「カップの6」で注目したい象徴を挙げます。
| 象徴 | 読み解き |
|---|---|
| 花の杯の贈り物 | 無償の好意。損得のない交換 |
| 古い庭 | 記憶の安全地帯。過去は資源になる |
よく出る組み合わせ
旧い友人・昔の趣味・原点の場所――「懐かしい」と感じたものに連絡や再訪を。過去が今のあなたに贈り物を持っています。
| 審判 | 過去が呼び戻される並び。復縁や復職の相談で、実際に連絡が来ると読める組み合わせです。 |
|---|---|
| カップの8 | 懐かしさと離脱が並びます。思い出を大切にしながら、その場からは離れる形になります。 |
| ソードの2 | 過去を美化したまま決められずにいる状態。現況を確認する作業が先だと読みます。 |
カップの6の逆位置を読む
逆位置のカップの6は、過去に留まっている状態です。懐かしさと有効性を混ぜてしまうと、通用しないやり方を繰り返すことになります。
| 恋愛での逆位置 | 元の相手を引きずる、思い出との比較、前に進めない。 |
|---|---|
| 仕事での逆位置 | 旧いやり方への固執、過去の成功体験の再演。 |
カップの6が示す人物像
人物としては、優しく、親切な人です。人の面倒をよく見ますが、対等というより保護的な関わり方をします。昔の縁を大切にし、長く連絡を保ちます。変化を好まず、慣れた関係の中で安心します。恋愛の相談で相手の札として出たときは、こちらを大事にしていますが、関係の形は以前のままです。進展を望むなら、こちらから新しい形を提案する必要があります。相談者本人に出た場合は、過去の基準で今を測っていないかを点検します。
相手の気持ちとして出たとき
カップの6は、相手が懐かしさを込めてあなたを見ていることを示します。安心できる存在という位置づけで、刺激よりも和みを感じている状態です。
| 片思い・これから | 好意はありますが、恋愛より親しみに近い可能性があります。昔からの知り合い、あるいは同郷や同窓のような距離感。関係を進めるには、こちらから枠を変える必要があります。 |
|---|---|
| 交際中 | 初期の気持ちを思い出しています。共通の思い出をたどる時間が、関係を良くする時期。昔行った場所へもう一度行くのが効きます。 |
| 復縁・停滞中 | 復縁に縁のある札です。相手の中で良い記憶が優勢になっています。ただし戻るのは過去の関係なので、同じ問題も一緒に戻る点に注意してください。 |
場面別の読み方
| 仕事・転職 | 過去の縁が仕事になります。前職の関係者、昔の顧客からの声。新規開拓より、古い名簿を見直すほうが早い時期。 |
|---|---|
| 金運・お金の使い方 | 以前の投資や積み立てが実ります。贈与や相続に縁が出ることも。 |
| 対人関係 | 旧友、家族、子どもとの縁。懐かしい相手からの連絡があります。 |
| 健康・コンディション | 子どもの頃からの体質が出やすい時期。無理をせず、慣れ親しんだ方法で整えてください。 |
スプレッドの位置別・読みの変わり方
| 過去に出たとき | 守られていた時期があります。その安心の記憶が、今の基準になっています。 |
|---|---|
| 現在に出たとき | 懐かしさの中にいる位置です。過去の縁が今の状況に関わっている状態。 |
| 未来に出たとき | 昔の縁が戻ってきます。人、場所、あるいは以前やっていたこと。 |
| アドバイス・対策に出たとき | 振り返れという助言です。昔の知り合いに連絡するか、古い記録を見返してください。 |
カップの6が出た相談例
同じ札でも、質問の内容と出た位置で読みは変わります。実際のリーディングから三つ挙げます。
ケース1:昔の友人から連絡が来た・〈現在〉の位置
会うべきか迷う、という相談の現在位置に正位置のカップの6。子どもが花を差し出す、郷愁の札です。過去が贈り物を持ってくる、という読みになります。この札で警戒すべきは打算がないことなので、身構える必要は薄い。助言は、こちらからも懐かしいものを一つ持っていくことでした。
ケース2:昔のやり方から離れられない・〈障害〉の逆位置
以前の成功体験が通じない、という相談の障害位置に逆位置のカップの6。過去に留まっている状態です。この方は十年前の手法を繰り返していました。逆位置の処方は、懐かしさと有効性を分けること。思い出として大切にするものと、現役で使うものを別の棚に置きます。
ケース3:実家に戻るか迷う・二択の比較
地元に戻るか都会に残るか、という相談で戻る側にカップの6、残る側にワンドの8。6を「帰るべき」と読むのは早計です。この札は子どもが花を差し出す絵で、過去の美化を含みます。読みどころは、この方が地元の何を思い出しているかでした。挙がったのは中学時代の風景ばかりで、現在の実家の状況ではない。一度長期休暇で二週間滞在してもらったところ、想像と現実の差がはっきりしました。結果は都会に残り、代わりに帰省の頻度を上げる形。6は帰郷の札であると同時に、記憶の札です。
過去を扱う札の比較
読み違いが起きやすいのは、意味の近い札と並んだときです。カップの6との境目を押さえておきます。
| 比べるカード | 読み分けのポイント |
|---|---|
| 審判(Judgement) | カップの6は懐かしさによる再会、審判は総括を経た再起です。感情で戻るのか、決断で立ち上がるのかが違います |
| カップの5 | 6は過去の温かい面、5は過去の失った面を見ています。同じ振り返りでも、視線の先が正反対です |
読み間違えやすいところ
6を「必ず復縁する」と読む例が広まっています。しかしこの札は過去の美化を含んでおり、思い出しているのは当時の相手であって今の相手ではありません。
カップの6で読める質問・読みにくい質問
昔の縁は戻るか、あの頃はどうだったかという過去の質問に強い札です。復縁、旧友、実家、以前いた場所など、時間を遡る相談で正確に出ます。子どもに関する相談にも向きます。
イエス・ノーと時期の読み方
6は過去からの贈り物の札です。新規の願いより、以前の関係が絡む願いに強く働きます。
| イエス・ノー | イエス(穏やかな形で) |
|---|---|
| 時期の目安 | 一か月から二か月。過去の縁を通じて進む |
前後のカード
FROM OUR PRESS
この原画を、手の中に。
本記事の絵柄は1909年版の原画です。新日本総合出版のクラシックタロットシリーズなら、この一枚をご自身のデッキでめくりながら学べます。
このカードを引いた日にできること
振り返る日です。懐かしいものに触れてください。
- 昔の知り合いに連絡する。
- 子どもの頃に好きだったものを一つ、今日やってみる。
- 古い写真や記録を見返す。
