世界タロットリーディング協会 監修

タロット「ペンタクルの5」の意味を、1909年版ウェイト・スミス・タロットの原画とともに解説します。基本の意味から正位置・逆位置、恋愛と仕事での読み分け、絵柄に隠された象徴、実際のリーディングでよく出る組み合わせまで――この1枚を深く知るための完全版です。
| 分類 | 小アルカナ ― ペンタクル(地の元素) |
|---|---|
| 英名 | Five of Pentacles |
| キーワード | 欠乏/困窮/見えない救い |
ペンタクルの5の意味 ― 正位置・逆位置
正位置:雪の夜、松葉杖の男と裸足の女が、明かりの灯るステンドグラスの窓の下を通り過ぎます。経済的・心理的な欠乏感。しかし救いの窓は、すぐ隣に灯っています――扉を叩くかどうかだけです。
恋愛:ふたりで寄り添う苦境、または「愛されていない」という思い込み。助けを求めるのは弱さではありません。仕事:資金難・自信の冷え込み。使える制度・頼れる人を数え上げることから。
逆位置:回復の兆し、支援の受け取り、悪循環の終わり。プライドより、温かい部屋を選んでください。
絵柄の象徴を読み解く
ウェイト版の絵柄は、細部まで意味の担い手です。「ペンタクルの5」で注目したい象徴を挙げます。
| 象徴 | 読み解き |
|---|---|
| 雪の中の二人 | 孤立の実感。ただし二人=支え合いの余地 |
| 灯る窓 | 救いの実在。中に入る資格は最初からある |
よく出る組み合わせ
「頼るのは負け」という思い込みがこの札の本体です。使える窓口・人・制度を三つ書き出す――それが扉を叩く準備です。
| ソードの9 | 困窮と不安が重なります。実際の状況と、恐れの大きさを分けて確認してください。 |
|---|---|
| ペンタクルの6 | 困っている側と、与える側が並びます。使える支援が実際に存在すると読める並びです。 |
| 星 | 厳しい状況に光が差す並び。回復は始まっており、期間は思ったより短く済みます。 |
ペンタクルの5の逆位置を読む
逆位置のペンタクルの5は、窮乏を抜ける局面です。ただし孤立が長引いている状態を示すこともあります。
| 恋愛での逆位置 | 支え合いの回復、あるいは孤独感の継続。 |
|---|---|
| 仕事での逆位置 | 状況の好転、または援助に届かないままの状態。 |
ペンタクルの5が示す人物像
人物としては、助けを求められない人です。困っていても言わず、一人で耐えます。他人に迷惑をかけることを強く避け、その結果として状況が悪化します。周囲は本人が大丈夫だと思っています。恋愛の相談で相手の札として出たときは、余裕がなく関係に向き合えない状態です。冷たくなったのではなく、生活そのものが苦しい可能性を確認してください。相談者本人に出た場合は、使える制度を一つ調べる助言が最も具体的です。
相手の気持ちとして出たとき
ペンタクルの5は、相手が孤立感の中にいることを示します。あなたを避けているのではなく、助けを求められない状態です。
| 片思い・これから | 余裕がありません。経済的、あるいは精神的に苦しい時期にいる。恋愛に向かう体力がないだけで、拒否ではありません。負担にならない気遣いが届きます。 |
|---|---|
| 交際中 | 苦しさを共有できていません。片方だけが抱えている状態です。責めずに、状況を聞く時間を作ってください。 |
| 復縁・停滞中 | 助けを求められずにいます。連絡してこないのはプライドが理由の場合も。こちらから軽く声をかける価値はあります。 |
場面別の読み方
| 仕事・転職 | 厳しい時期。ただし社内制度、公的支援、相談窓口など、使っていない手があります。一人で耐えないでください。 |
|---|---|
| 金運・お金の使い方 | 収入の減少、想定外の出費。ただし使える制度が必ずあります。調べる作業が最優先です。 |
| 対人関係 | 孤立感が強くなります。実際には助けてくれる人がいますが、声を上げていない。 |
| 健康・コンディション | 体調を崩しやすい時期。受診をためらわないこと。放置が最も高くつきます。 |
スプレッドの位置別・読みの変わり方
| 過去に出たとき | 苦しい時期がありました。そのとき助けを求められなかったことが、今の癖として残っています。 |
|---|---|
| 現在に出たとき | 困窮している位置です。ただし絵の中には、明かりの灯った窓がすぐ横にあります。 |
| 未来に出たとき | 厳しい状況が続きます。ただし使える手を使えば、期間は短縮できます。 |
| アドバイス・対策に出たとき | 助けを求めよという助言です。使えるかもしれない制度を、一つ調べてください。 |
ペンタクルの5を引いた相談例
同じ札でも、質問の内容と出た位置で読みは変わります。実際のリーディングから三つ挙げます。
ケース1:収入が途絶えた・〈現在〉の位置
誰にも相談できない、という相談の現在位置に正位置のペンタクルの5。雪の中を歩く二人の傍らに、明かりの灯ったステンドグラスの窓があります。救いは既にそこにある、という構図です。読みの核心は、頼るのは負けだという思い込みでした。使える窓口、人、制度を三つ書き出す。それが扉を叩く準備になります。
ケース2:助けを求めたが断られた・〈障害〉の逆位置
頼った相手に冷たくされた、という相談の障害位置に逆位置のペンタクルの5。窮乏を抜ける局面、あるいは孤立が続く状態です。この方の場合、頼る先が一つしかありませんでした。逆位置の処方は分散でした。一つの窓が閉じても、窓は他にもあります。
ケース3:失業して貯蓄が尽きかけている・打開を見る展開
半年職に就けていない、という相談にペンタクルの5。困窮の札です。読みどころは、二人が教会のステンドグラスの真下を通り過ぎている点でした。明かりのある窓のすぐ横にいて、気づいていない。この方は失業給付の延長給付も、職業訓練の受講手当も申請していませんでした。恥ずかしさで窓口に行けなかったのです。三つの申請をしてもらったところ、生活の目処が立ち、訓練経由で就職に至りました。5は不足の札ではなく、扉の前を素通りする札です。
困窮を示す札の読み分け
読み違いが起きやすいのは、意味の近い札と並んだときです。ペンタクルの5との境目を押さえておきます。
| 比べるカード | 読み分けのポイント |
|---|---|
| ソードの10 | ペンタクルの5は物質的な欠乏、ソードの10は精神的な終焉です。生活の問題か、心の問題かで支援先が変わります |
| ペンタクルの6 | 5は助けを求める側、6は与える側と受け取る側の関係です。連続で出れば、支援につながる流れとして読めます |
読み間違えやすいところ
5を「救いがない」と読んで諦めを伝えてしまう例があります。しかし二人はステンドグラスの真下を歩いており、扉の前を素通りしているだけです。
ペンタクルの5で読める質問・読みにくい質問
助けはあるか、どう乗り切るかという困窮の質問に強い札です。金銭的な不足、健康、孤立など、実際に苦しい状態を扱う相談で正確に出ます。
イエス・ノーと時期の読み方
5は吹雪の中を歩く二人の札です。今の形では叶いません。ただし絵の中には明かりの灯った窓が描かれています。
| イエス・ノー | ノー(今は条件が足りない) |
|---|---|
| 時期の目安 | 二か月から三か月。支援を得てから変わる |
前後のカード
FROM OUR PRESS
この原画を、手の中に。
本記事の絵柄は1909年版の原画です。新日本総合出版のクラシックタロットシリーズなら、この一枚をご自身のデッキでめくりながら学べます。
このカードを引いた日にできること
助けを求める日です。一人でやり切ろうとするのをやめてください。
- 使えるかもしれない制度や窓口を、一つ調べる。
- 困っていることを、一人に打ち明ける。
- 体を温める。この札は物理的な冷えを含みます。
