世界タロットリーディング協会 監修

タロット「ソードの6」の意味を、1909年版ウェイト・スミス・タロットの原画とともに解説します。基本の意味から正位置・逆位置、恋愛と仕事での読み分け、絵柄に隠された象徴、実際のリーディングでよく出る組み合わせまで――この1枚を深く知るための完全版です。
| 分類 | 小アルカナ ― ソード(風の元素) |
|---|---|
| 英名 | Six of Swords |
| キーワード | 移行/脱出/静かな航路 |
ソードの6の意味 ― 正位置・逆位置
正位置:船頭が漕ぐ小舟に、うずくまる人影と子ども。舟には6本の剣が立ったまま積まれています。困難からの静かな脱出、環境の移行。手前の水は波立ち、行く先の水面は凪いでいます。
恋愛:つらい関係からの卒業、新しい環境での出会いへ。振り返らない移動が吉。仕事:転職・異動・プロジェクト移管。荷物(経験)は持ったまま、戦場だけ変えるのです。
逆位置:出発の遅れ、過去を積みすぎた舟、後ろ髪。降ろせる剣はないか、荷を検めて。それでも舟は、漕ぎ出せば進みます。
絵柄の象徴を読み解く
ウェイト版の絵柄は、細部まで意味の担い手です。「ソードの6」で注目したい象徴を挙げます。
| 象徴 | 読み解き |
|---|---|
| 舟に立つ六本の剣 | 経験ごと運ぶ移行。傷も積み荷のうち |
| 凪へ向かう水面 | 過去は波立ち、未来は静か。進む方向の正しさ |
| 船頭 | 支えてくれる第三者。移行は一人でしなくていい |
よく出る組み合わせ
荷造りの基準は「新しい岸で使うか」。使わない剣は降ろしてよし、刺さった剣は抜いてから積むこと。
| ペンタクルの8 | 移った先で地道に積み上げる並び。転職や移住の後の見通しが安定していると読みます。 |
|---|---|
| カップの5 | 移動しながら喪失を抱えている並び。持っていく荷物の中身を確認する助言になります。 |
| 星 | 静かな移行と回復が重なります。負担の少ない形で環境が変わる、最も穏やかな並びです。 |
ソードの6の逆位置を読む
逆位置のソードの6は、移りきれていない状態です。舟が出ていないか、荷物をそのまま持ち込んだかのどちらかを示します。
| 恋愛での逆位置 | 距離を置いても気持ちが変わらない、離れられない。 |
|---|---|
| 仕事での逆位置 | 環境を変えても同じ問題が出る、移行の失敗。 |
ソードの6が示す人物像
人物としては、争わずに離れる人です。問題のある場所から静かに移動し、後を追及しません。感情を抑えて実務的に処理するため、周囲は事情を知らないままです。転居や転職の経験が多く、身軽に見えます。恋愛の相談で相手の札として出たときは、既に距離を取り始めています。責めても引き止めても効果は薄く、移った後の関わり方を考えるほうが実際的です。相談者本人に出た場合は、同じ場所での解決を諦める助言になります。
相手の気持ちとして出たとき
ソードの6は、相手が静かに次へ移ろうとしていることを示します。激しい感情の動きはなく、穏やかな移行の局面です。
| 片思い・これから | 過去の関係から抜け出しつつあります。今すぐではないものの、恋愛に向く余地が生まれてきている。焦らず並走すると、自然に距離が縮まります。 |
|---|---|
| 交際中 | 落ち着きを取り戻しています。荒れた時期を越えつつあり、これからが安定期。無理に盛り上げず、静かに支えてください。 |
| 復縁・停滞中 | 前へ進もうとしています。あなたを憎んではいませんが、戻る方向でもない。区切りとして受け取るほうが、双方にとって穏やかです。 |
場面別の読み方
| 仕事・転職 | 環境を移す時期。転職、異動、引っ越し。荒れた状況から静かな場所へ移る流れです。無理のない移行になります。 |
|---|---|
| 金運・お金の使い方 | 支出は移行のために出ます。損失ではなく、費用として見込んでください。 |
| 対人関係 | 距離を置くことで関係が良くなります。近すぎた相手と物理的に離れる時期。 |
| 健康・コンディション | 回復に向かいます。急激ではなく、穏やかに。環境を変えることが効きます。 |
スプレッドの位置別・読みの変わり方
| 過去に出たとき | 荒れた場所から静かに移った時期があります。解決したのではなく、離れたのです。 |
|---|---|
| 現在に出たとき | 移動している位置です。問題を抱えたまま、別の場所へ向かっている状態。 |
| 未来に出たとき | 穏やかな場所へ移ります。劇的ではありませんが、確実に環境が変わります。 |
| アドバイス・対策に出たとき | 場所を変えよという助言です。同じところで解決しようとするのをやめてください。 |
ソードの6を引いた相談例
同じ札でも、質問の内容と出た位置で読みは変わります。実際のリーディングから三つ挙げます。
ケース1:引っ越して環境を変えたい・〈未来〉の位置
逃げになるのではと迷う、という相談の未来位置に正位置のソードの6。渡し守が舟で親子を運ぶ、静かな移行の札です。移ってよいと読めます。加えた助言は荷造りの基準でした。新しい岸で使うものだけを積む。刺さった剣は抜いてから積む――抱えたまま渡ると、同じ景色が向こう岸にも現れます。
ケース2:転職したのに同じ悩みが出る・〈現在〉の逆位置
職場を変えても人間関係が同じ、という相談の現在位置に逆位置のソードの6。移りきれていない状態です。逆位置は、舟が出ていないか、荷物をそのまま持ち込んだかのどちらかを示します。この方の場合は後者でした。降ろす剣を決める作業が先だ、という結論になりました。
ケース3:離婚後の生活をどう組み立てるか・指針を見る展開
離婚が成立した直後の相談にソードの6。移行の札で、方向としては正しい。読みどころは、舟に乗っているのが三人である点でした。渡し守と、女性と、子ども。一人で漕いでいません。この方は全部を自分で背負う前提で計画を立てていました。実際には、親の支援も公的な制度も使える状況にあった。使える手を三つ挙げてもらい、そのうち二つを申請してもらっています。舟には六本の剣が刺さったまま乗っていますが、沈んではいません。6は問題の解消ではなく、抱えたまま移動する札です。
移行を示す札の読み分け
読み違いが起きやすいのは、意味の近い札と並んだときです。ソードの6との境目を押さえておきます。
| 比べるカード | 読み分けのポイント |
|---|---|
| カップの8 | ソードの6は状況から静かに移り、カップの8は感情を置いて去ります。環境の問題か、心の問題かで違います |
| 死神(Death) | 6は移動であって終了ではありません。死神は形そのものが終わります。持ち越せるかどうかが分かれ目です |
読み間違えやすいところ
6を「問題が解決する」と読む例があります。しかし舟には六本の剣が刺さったまま乗っています。持っていくのです。
ソードの6で読める質問・読みにくい質問
移ってよいか、環境を変えるべきかという移動の質問に強い札です。転職、転居、部署替え、関係の距離の取り方など、場所を変える相談で正確に出ます。
イエス・ノーと時期の読み方
6は舟で水を渡る札です。到達しますが、今の場所を離れることが条件になります。
| イエス・ノー | イエス(穏やかに、移動を伴って) |
|---|---|
| 時期の目安 | 二か月前後。静かに進む |
前後のカード
FROM OUR PRESS
この原画を、手の中に。
本記事の絵柄は1909年版の原画です。新日本総合出版のクラシックタロットシリーズなら、この一枚をご自身のデッキでめくりながら学べます。
このカードを引いた日にできること
移る日です。同じ場所で解決しようとするのをやめてください。
- 作業する場所を変える。それだけで詰まりが取れます。
- 持っていくものと置いていくものを分ける。
- 静かな移動をする。電車でも散歩でも。
