世界タロットリーディング協会 監修

タロット「ペンタクルの4」の意味を、1909年版ウェイト・スミス・タロットの原画とともに解説します。基本の意味から正位置・逆位置、恋愛と仕事での読み分け、絵柄に隠された象徴、実際のリーディングでよく出る組み合わせまで――この1枚を深く知るための完全版です。
| 分類 | 小アルカナ ― ペンタクル(地の元素) |
|---|---|
| 英名 | Four of Pentacles |
| キーワード | 所有/堅守/手放せない |
ペンタクルの4の意味 ― 正位置・逆位置
正位置:頭に1枚、胸に1枚、両足の下に2枚――金貨を全身で抱え込む人物。背後には都市=守るべき財産。守りの堅さ、貯蓄、地位の確保です。ただし、抱えた腕では新しいものを受け取れません。
恋愛:関係の安定志向、束縛の芽。安心と独占の線引きを。仕事:守りの経営、実績の防衛。攻めに転じる時期の見極めが次の課題です。
逆位置:ケチと浪費の両極、執着、守りの崩れ。手放す一枚を決めると、流れが戻ります。お金は血流――止めれば冷えます。
絵柄の象徴を読み解く
ウェイト版の絵柄は、細部まで意味の担い手です。「ペンタクルの4」で注目したい象徴を挙げます。
| 象徴 | 読み解き |
|---|---|
| 抱え込む四枚 | 守りの完成と流れの停止。所有の二面性 |
| 背後の都市 | 守るべき成果の実在。執着には理由がある |
よく出る組み合わせ
三ヶ月使っていないもの・動いていないお金を一つ、流れに戻してください。手放した分だけ、掌が次を掴めます。
| 悪魔 | 執着が二重になります。手放せないものが何かを特定する作業から始めてください。 |
|---|---|
| カップのエース | 抱え込む姿勢と、差し出されるものが並びます。受け取る練習が要る場面です。 |
| ワンドのエース | 守りたい気持ちと、始めたい気持ちの衝突。多くは金銭が理由で止まっています。 |
ペンタクルの4の逆位置を読む
逆位置のペンタクルの4は、浪費として出ることもありますが、執着を手放す前向きな局面としても読めます。
| 恋愛での逆位置 | 独占欲、束縛、あるいは心を開き始める段階。 |
|---|---|
| 仕事での逆位置 | 出費の増加、または抱え込みからの解放。 |
ペンタクルの4が示す人物像
人物としては、守りの堅い人です。持っているものを手放さず、危険を避けます。金銭管理は厳しく、無駄がありません。安心を最優先するため、大きな機会も見送ります。恋愛の相談で相手の札として出たときは、関係を変えたくない相手です。悪い状態ではなくても、進展は望みません。こちらが動かない限り現状が続きます。相談者本人に出た場合は、取ってあるものを今日一つ使う助言が最も効きます。
相手の気持ちとして出たとき
ペンタクルの4は、相手が守りに入っていることを示します。あなたを手放したくない気持ちと、変化を避けたい気持ちが混ざっている状態です。
| 片思い・これから | 関心はありますが、動きません。今の生活を崩したくないという気持ちが強い。安心できる存在だと示せるかが鍵になります。 |
|---|---|
| 交際中 | 独占したい気持ちが出ています。愛情の裏返しですが、束縛に傾くと苦しくなる。行動を制限するより、安心できる材料を増やすほうが有効です。 |
| 復縁・停滞中 | 手放したくない気持ちは残っています。ただし変化を嫌うので、自分から動くことはありません。こちらが動く前提の局面です。 |
場面別の読み方
| 仕事・転職 | 守りの時期。新規より現状維持。蓄積を守る判断が正解ですが、抱え込みすぎると次の機会を逃します。 |
|---|---|
| 金運・お金の使い方 | 貯まる時期。ただし使わなすぎると回らなくなります。守るべきものと、動かすべきものを分けて。 |
| 対人関係 | 距離を保ちます。心を開かないぶん、深まりもしません。一人だけ、例外を作ってください。 |
| 健康・コンディション | 安定していますが硬い。凝り、こわばり、便通。緩める工夫が要ります。 |
スプレッドの位置別・読みの変わり方
| 過去に出たとき | 守りに徹した時期があります。失わずに済んだ代わりに、増えもしませんでした。 |
|---|---|
| 現在に出たとき | 抱え込んでいる位置です。安全ですが、動かないぶん機会も来ません。 |
| 未来に出たとき | 現状が維持されます。良くも悪くも変わりません。 |
| アドバイス・対策に出たとき | 一つ動かせという助言です。取ってあるものを、今日使ってください。 |
ペンタクルの4が出たケース
同じ札でも、質問の内容と出た位置で読みは変わります。実際のリーディングから三つ挙げます。
ケース1:貯金はあるが使えない・〈現在〉の位置
将来が不安で何も買えない、という相談の現在位置に正位置のペンタクルの4。四枚の金貨を抱え込む人物の札です。守りは固いが、動きもない状態を示します。助言は流れを一つ作ることでした。三か月使っていないもの、動いていないお金を一つだけ流れに戻す。掌が空かなければ、次は掴めません。
ケース2:人に頼れない・〈障害〉の逆位置
抱え込む癖がある、という相談の障害位置に逆位置のペンタクルの4。手放し始める局面、あるいは執着が限界に来た状態です。この方の場合、仕事も情報も渡していませんでした。逆位置の処方は、渡す対象を一つ決めることでした。所有の対象は物とは限りません。
ケース3:貯金はあるが不安が消えない・現状を見る一枚引き
十分な貯蓄があるのに不安、という相談にペンタクルの4。絵の男は王冠の上に金貨を載せ、胸に一枚を抱え、両足で二枚を踏んでいます。全部押さえている。読みどころは、この方が金額の目標を一度も設定していなかったことでした。目標がないと、いくらあっても足りない。生活費の何か月分を安全圏とするかを決めてもらい、超過分を使途のある口座に分けたところ、不安の訴えが止まりました。4は蓄えの札であると同時に、際限のなさの札です。
守りを示す札の比較
読み違いが起きやすいのは、意味の近い札と並んだときです。ペンタクルの4との境目を押さえておきます。
| 比べるカード | 読み分けのポイント |
|---|---|
| 悪魔(The Devil) | ペンタクルの4は所有への執着、悪魔は関係や欲望への執着です。対象が物か人かで違います |
| ワンドの7 | 4は持っているものを守り、ワンドの7は立場を守ります。財産か信念かの違いです |
読み間違えやすいところ
4を「金運が良い」と読む例があります。しかし絵の男は金貨を握りしめ、動かしていません。増える絵ではありません。
ペンタクルの4で読める質問・読みにくい質問
守れるか、減らずに済むかという保全の質問に強い札です。貯蓄、現状維持、失いたくないものの扱いなど、守る側の相談で正確に出ます。
イエス・ノーと時期の読み方
4は金貨を抱え込む札です。失うことはありませんが、増えもしません。現状維持を問う質問に肯定を返します。
| イエス・ノー | イエス(現状維持の形で) |
|---|---|
| 時期の目安 | 動きが遅い。三か月以上 |
前後のカード
FROM OUR PRESS
この原画を、手の中に。
本記事の絵柄は1909年版の原画です。新日本総合出版のクラシックタロットシリーズなら、この一枚をご自身のデッキでめくりながら学べます。
このカードを引いた日にできること
手放す日です。抱え込んでいるものを、一つだけ動かしてください。
- 使わずに取ってあるものを、今日使う。
- 誰かに何かを渡す。物でも情報でも。
- 肩と手のこわばりを緩める。姿勢が握りしめる形になっています。
